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奨学金ガイドブックの表紙は、タバコのパッケージを参考にした方が良い



平成29年(2017年)12月26日の時事通信を読んでいたら、私大授業料、5年連続増=16年度87万円、過去最高-文科省調査と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『2016年度に入学した私立大学生が初年度に支払った授業料の平均額が前年度比1.1%増の87万7735円となり、5年連続で増加したことが26日、文部科学省の調査で分かった。比較可能な1975年度以来、過去最高を更新した』

以上のようになりますが、このような学費の高騰を受けて、奨学金を返済できずに自己破産する方が増えております。

奨学金制度を担う日本学生支援機構によると、奨学金に関係する自己破産は、平成28年(2016年)度は過去最多の3,451人となり、5年前より13%も増えたそうです。

また過去5年間の累計では1万5,338人となり、その内訳は奨学金を借りた本人が8,108人(うち保証機関分が475人)で、連帯保証人と保証人が合計で7,230人だったそうです。

この連帯保証人は原則として「父母」になり、また保証人は原則として「おじ・おば・兄弟姉妹等」の中から選ぶため、奨学金に関係する自己破産が、奨学金を借りた本人だけでなく、その親族にまで広がっているとわかります。

奨学金に関係する自己破産が増えたのは、上記のように学費が高くなっただけでなく、卒業後に非正規雇用になる方が増えた事や、日本学生支援機構が回収を強化した事も影響しているようです。

日本学生支援機構が奨学金を借りた本人や保証人などに対して、返還を求めて裁判所に申し立てた件数は、平成28年(2016年)度は9,106件になり、また過去5年間の累計では約4万5,000件に達しました。

また給与を差し押さえするなどの強制執行を実施したのは、平成16年(2004年)度は1件だったのに対して、平成28年(2016年)度は387件に達しております。

非正規雇用で給与が少ないのに、それを差し押さえするなんて、なんて酷い事をするのだと思いますが、奨学金を借りた方が被害者といえない面もあるようです。

その理由として平成28年(2016年)3月20日の現代ビジネスに、「奨学金」延滞者急増、その意外なワケと題した記事が掲載されていたからであり、一部を紹介すると次のようになります。

『返済の延滞率について、日本学生支援機構の「3月(みつき)以上延滞債権額」の割合をみると、4.6%(2013年度末)。この数字は、借入者に学生が含まれていることを考慮しても、民間金融機関の1.2%(2014年度末)に比してかなり高い。

同機構の「平成25年度奨学金の延滞者に関する属性調査結果」によれば、返還できず延滞せざるを得なくなった理由は、「家計の収入が減った」ことがきっかけとされている。延滞が継続しているのは、本人の低所得とともに延滞額が増加していったためだ。

ただ、その調査をさらに読むと、「返還義務をいつ知ったか」という調査項目がある。それによると、延滞者のうち、奨学金を借りる前に返済義務を知っていた人の割合はわずか56.1%。これは無延滞者の92.5%と比較して、著しく低い。

奨学金を借りるに当たり、本人が返さなければいけないことを知らなかったという、かなり驚きの調査結果だ。実際、延滞督促を受けてから返還義務があることを知ったという人も9.4%もいた』

以上のようになりますが、つまり延滞者の半分くらいは、奨学金を返済する必要がある事を知らなかったのです。

最近はタバコを吸う方が少なくなったので、知らない方がいるかもしれませんが、タバコのパッケージには30%以上の面積を使って、次のような警告表示が掲載されております。

『喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります』

進学する前に奨学金制度について知ってもらうため、高校生向けに作成された「奨学金ガイドブック」の表紙にも、30%以上の面積を使って、次のような警告表示を掲載した方が良いと思うのです。

『奨学金は、あなたにとって自己破産の原因の一つとなります。日本学生支援機構の推計によると、奨学金を借りた方は奨学金により自己破産する危険性が奨学金を借りていない方に比べて約○倍から○倍高くなります』

進学後の生活に希望を抱いている高校生に、卒業後に待っているかもしれない現実を突きつけるのは、少し残酷かもしれませんが、延滞者の半分くらいは、奨学金を返済する必要がある事を知らなかったのですから、やむを得ないと思うのです。

また将来に返済する必要があるとわかっていたら、元を取ってやろうという気持ちが強くなるため、授業をさぼらなくなると思うのです。

それに加えて非正規雇用になると、奨学金を返済するのが厳しくなるため、就職活動を頑張る気持ちが強くなると思うのです。
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  1. 2018/04/03(火) 20:05:46|
  2. 政治・経済