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「首吊り士」という資格を作ったら、ビジネスとして成り立つのか?



平成29年(2017年)も終わりに近づき、「ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート語が発表されました。

これを見てみると「忖度(そんたく)」、「インスタ映え」、「ちーがーうーだーろー!」など、新聞やテレビで話題になった言葉がノミネートされていたので、とても納得しました。

その一方で自分のスマホを落として修理代を請求する、「スマホ当たり屋」まで生んだ「歩きスマホ」については、ノミネートされておらず、少し残念な気持ちになりました。

また11月に入ったあたりから、大きな話題になっている「首吊り士」についても、ノミネートされていなかったようです。

この首吊り士とは皆さんもご存知のように、神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された容疑者が、ツイッターで使っていたハンドルネームです。

容疑者はツイッターの自己紹介文の中に、「首吊りの知識を広めたい。本当につらい方の力になりたい」などと記載しておりました。

そうなると首吊り士とは「(1)首吊りの知識を広めること」、「(2)自殺の手伝いをすること」を目的にした資格と考えられます。

なぜ9人の尊い命が犠牲になったのかについては、まだ詳細は解明されておりませんが、首吊り士というハンドルネームを使った事が、ポイントのひとつになっている気がするのです。

一般的に「○○士」というと弁護士や税理士などの、士業(さむらいぎょう)を思い浮かべると思います。

また士業について、様々なイメージを持つ方がいるかと思いますが、真面目や弱者の味方など、良いイメーシを持つ場合が多いと思います。

首吊り士は士業と同じように、名前の終わりが「士」になっているため、士業と同じように良いイメーシを持ってしまったのかもしれません。

ネーミングの重要性で思い出すのは、戦後最大の詐欺事件と言われている「豊田商事事件」です。

この豊田商事は顧客に対して金地金(金の延べ棒)を販売し、その金地金は金庫に保管しておくという約束だったのですが、実際は金地金をまったく購入していなかったのです。

被害者の多くは豊田商事という会社名から、日本を代表する企業の「トヨタ自動車」をイメージして、安心感を持ってしまったのですが、もちろん両者はまったく関係がありません。

なお犯人はトヨタ自動車の系列企業であると誤解させるため、意図的に豊田商事という会社名を付けたそうです。

死体遺棄容疑で逮捕された容疑者が、首吊り士という士業を連想させる名前を付けたのも、意図的だったのかもしれません。

ただ弁護士や税理士などと同じように、自宅前に「○○首吊り士事務所」という看板を出し、業務案内に首吊り士の目的である、「(2)自殺の手伝いをすること」を掲げたら、逮捕されると思います。

その理由としてこういった行為は、次のような刑法第202条の、「自殺関与罪(自殺を決心している方に毒薬を提供する)」や、「同意殺人罪(本人の依頼を受けて毒薬を飲ませる)」になるからです。

■第202条(自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

しかし「(1)首吊りの知識を広めること」、例えば首吊りについて真面目に研究し、それをウェブサイトで公開する、またはそれを本にして出版するのは、グレーゾーンではないかと思います。

その理由として研究成果を発表するだけでは、特定の誰かを自殺するように仕向けたとまでは言えないため、「自殺関与罪」は成立しない可能性があるからです。

ただウェブサイトを見て連絡してきた方に、首吊りのアドバイスを与えれば、特定の誰かを自殺するように仕向けるので、違法行為になると考えられます。

そうなるとウェブサイトに広告を貼って広告収入を得る、または本の執筆によって印税を得るのが、首吊り士という資格を作った時の、ビジネスとしての限界ではないかと思います。

もちろんASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)によっては、そんなデンジャラスなウェブサイトに広告を貼るのを、禁止している場合がありますので、その点には注意する必要があります。
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  1. 2017/12/01(金) 20:43:56|
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