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「株価の予想はアート」だから、株の専門家のすったもんだは止まらない



平成29年(2017年)6月2日に日経平均株価は、心理的な壁とされてきた2万円をあっさりと超えました。

私はこのように株価が上昇したのは、日銀の黒田総裁の忖度(他人の心の中を推測すること)が、背景にあるのではないかと想像しました。

つまり黒田総裁は、「安倍総理は加計学園の問題で、支持率が落ちるのを恐れている」と忖度して、安倍内閣の支持率が落ちないように、ETFを購入するなどの株価対策を、このタイミングで実施したと考えたのです。

しかしそういった情報は見つからなかったので、株価が上昇した背景について、テレビ、新聞、インターネットなどで調べてみると、株の専門家の方は、次のような分析をしておりました。

(1)法人企業統計
財務省が発表した1~3月期の法人企業統計において、設備投資の2期連続の伸びが確認できたので、株価が上昇したそうです。

(2)資産配分の見直し
6月の初めに国内外の機関投資家(生命保険会社など)からの、資産配分の見直しに伴う買いが入ったので、株価が上昇したそうです。

(3)雇用統計
アメリカの給与計算アウトソーシング会社であるADPが算出・発表する、「ADP雇用統計」において、非農業雇用者数が市場予想を大幅に上回りました。

これを受けダウ平均株価が過去最高値を更新し、その流れが日本市場にも引き継がれたので、株価が上昇したそうです。

(4)長期金利
ダウ平均株価や米ドルが上昇しているにもかかわらず、アメリカでは長期金利が低下しているため、FRB(連邦準備制度理事会)は政策金利の引き上げペースを、緩めるのではないかと考える方が多くなったので、株価が上昇したそうです。

以上のようになりますが、個人的には(3)に記載した、ダウ平均株価の過去最高値の更新が、日本市場にも引き継がれたという分析が、一番納得できるものでした。

ただADP雇用統計は、労働省労働統計局が発表する雇用統計と比較すると、あまり注目度は高くないので、これが市場予想を大幅に上回った事が、ダウ平均株価の過去最高値の更新につながったという分析には、納得がいきません。

そのため何だかすっきりしない気持ちでいたところ、お金持ちの習慣が身につく「超」心理術(著:内藤誼人)に記載されていた、次のような文章を思い出しました。

『カンザス州立大学のジェームス・シャントー博士は、いろいろなジャンルの専門家を集め、「こういう事例がありますが、あなたはどう分析しますか」ということを、同じジャンルの複数の専門家に聞いてみた。そしてその回答の一致率を調べたのである。

同じ情報をもとにして、同じ専門家が同じような予想をたてるなら、その分野の専門家の予測率は高い、ということになる。

その結果、専門家間の一致率が高い分野と、そうでない分野があることがわかった。

予測の一致率の高い業種から紹介していくと、まず気象予報士。この人たちは同じデータを見せられたら、だいたい同じ予想を出す率が高かった。

その意味では、天気予報は、思った以上に正確な予想ができると言えよう。「天気予報って、全然当たらないよね」という人もいるが、とんでもない。気象予報士の予測は、かなり正確なのである』

『では一致率の低い、つまり正しい判断をあまり出せない専門家で、堂々の1位に輝いたのはどの職業だったろうか。それは、「株のブローカー」であった。

同じ銘柄のデータを見せられても、「上がるよ」と言う専門家もいれば、「下がるよ」と言う専門家もいるという、なんとも頼りない専門家が、株のブローカーなのである』

『株が上がるか下がるかの予想などというのは、専門家間でもみんなバラバラ、それこそ専門家の数だけ判断がある、ということだ。これではみんな通帳を見せたがらないのも、当然である。

株に関しては「9割がアート、1割がサイエンス」ということを言っている人もいる。ようするに科学的に判断できるのは1割程度、というわけだ。だから株に関しては「あの人は専門家だから、正しい予想をするだろう」というのは、単なる思いこみだ』

以上のようになりますが、この文章を読むとわかるように、株の専門家の分析は、なかなか当たらないのです。

それならばニュースキャスターは、もっともらしい株の専門家の分析を紹介する必要はなく、「今日も専門家はすったもんだ(複数の意見が出て揉めること)しており、理由はよくわかりませんが、日経平均株価は○○円を付けました」と伝えれば、十分だと思います。
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  1. 2017/06/06(火) 20:33:35|
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