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昔の方が良かったと思ったら、「思い出補正」していないかを考えてみる



平成29年(2017年)4月28日のAFP通信を読んでいたら、EU離脱を後悔?英世論調査で初めて「誤り」が「正しい」を上回ると題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『英国で実施された世論調査で、欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)を国民投票で決めて以来初めて、離脱は間違った選択だったと答えた人の数が正しい選択だったと答えた人の数を上回ったことが、27日に公表された調査結果で明らかになった。

英世論調査会社ユーガブ(YouGov)と英紙タイムズ(The Times)が実施した世論調査によると、「今から振り返ってみると、英国がEU離脱を決めたのは正しかったか、誤っていたか」という質問に対し、45%が誤っていたと答え、正しかったと答えた43%を上回った。

前回の調査より誤っていたと答えた割合は2%上昇し、正しかったと答えた割合は逆に3%減少した』

以上のようになりますが、要するにEUからの離脱を問う国民投票の結果について、離脱は誤っていたと答えた方の割合が、正しかったと答えた方の割合を、初めて上回ったという話になります。

この世論調査の結果が、影響を与えたかはわかりませんが、平成29年(2017年)5月7日に実施されたフランス大統領選挙の決戦投票では、EUへの残留を訴えるエマニュエル・マクロン氏が、初当選を果たしました。

この流れは他のヨーロッパの国でも継続しそうな勢いで、EUの崩壊を予想していた評論家の方は、しばらくは狼少年(実際は「狼おじさん」ですが…)と、後ろ指をさされる日々が続きそうです。

ところでイギリスにおいて、EUからの離脱を問う国民投票が実施された後に、世代別の投票結果が発表されました。

それによると18歳~34歳では、「残留:56%、離脱39%」だったのに、65歳以上では「残留:39%、離脱55%」だったそうです。

こういった投票を行うと、若者が変化を選んで、高齢者が現状維持を選ぶようなイメージがありますが、今回はまったく逆で、若者が現状維持を選び、高齢者が変化を選びました。

高齢者が変化を選んだ理由としては、移民への反感、EUの官僚によって政策が決められてしまうという剥奪感、EUに税金が吸い取られるという不公平感などが、挙げられております。

このような様々な理由を、一言に集約すると、「昔の方が良かった」になると思うのですが、この考え方は間違っている場合もあるのです。

例えば映画ALWAYS 三丁目の夕日の舞台となった、昭和33年(1958年)の日本は、貧しいながらも皆が助け合って生きていた、理想的な社会のように感じます。

しかしこの年の殺人事件の認知件数は2,600件くらいで、平成25年(2013年)は900件くらいですから、昔の方がはるかに物騒だったのです。

それにもかかわらず、昔の方が良かったと思うのは、過去の経験を美化したり、過去の嫌な事を忘れたりする、「思い出補正」が働いているからだと思います。

そのため何か重要な決断をしなければならない時は、思い出補正していないかを、改めて考えてみるべきです。

これはまったくの想像ですが、イギリスをはじめとするヨーロッパにおいても、今より昔の方が悪かった可能性があり、だからこそ先人達は、EUという制度を考えたのかもしれません。

ですからEUを離脱したり、EUを解体したりして、昔に戻る事が正しい選択とは思えず、先人達が作ったEUを、もっと良いものに変えていくのが、正しい選択のような気がします。
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  1. 2017/05/25(木) 20:40:37|
  2. 政治・経済