「炎上」は演出された国民の怒り、「デモ」は増幅した国民の怒り



先日ニュースサイトの記事を読んでいたら、野球評論家として活躍する張本勲さんが、あるテレビ番組に出演した際、大谷翔平選手の3試合連続ホームランについて、「まぐれかアメリカのピッチャーのレベルの低下」と発言して、炎上したと記載されておりました。

これを含めた最近の張本さんの発言は、納得できないものが多いので、炎上したのはよく理解できるのですが、改めて考えると少し変だと思ったのです。

その理由として張本さんはブログ、FaceBookやTwitterなどのSNSを、まったくやっていないようなので、炎上しようがないからです。

そのため出演したテレビ番組のTwitterなどが、炎上したのではないかと思いました。

ただSNSをまったくやっていない張本さんが、それを自分で見る可能性は低いと考えられ、それでは国民の怒りは張本さんに伝わりません。

また炎上が張本さんに対する国民の怒りを、ダイレクトに表現していると言えない面もあります。

その理由としては平成28年(2016年)6月28日の日本経済新聞に、ネット炎上、少人数の連投で発生 「許せない」が動機と題した記事が掲載されていたからであり、一部を紹介すると次のようになります。

『インターネットのブログや会員制交流サイト(SNS)などが批判の書き込みであふれる「炎上」の状態になる際は、ごく少数の人が繰り返し書き込んでいることが28日までに、国際大学GLOCOMの山口真一講師らによる約4万人へのネット調査で分かった。

過去1年間に炎上に加わったのは全体の1.1%だが、参加経験者の6割超は、同じ炎上への書き込みを繰り返していた。

山口講師は「声が大きい一部の人によって炎上している実態を示す結果だ。過度の批判が行われればネット上の言論自体が萎縮しかねず、対策を検討する必要がある」と話している。

調査は今月、ネットを通じアンケート形式で実施し、20~69歳の男女計4万504人が回答。炎上に書き込んだことがあると答えたのは725人だった。

さらに追加アンケートした結果、過去1年間の書き込み経験者のうち同じ炎上に2回以上書き込んだ人は65%に達し、10%は11回以上書き込んでいた』

以上のようになりますが、要するに過去1年間の間に、炎上に参加した事があるのは、調査対象者の約1%だけなのです。

しかしその約1%の方が何度も書き込みをしているため、激しく炎上しているように見えるのです。

他の調査でも同様の結果が出ているため、炎上とは約1%の方の過剰な書き込みという演出によって作られた、国民の怒りだと考えられます。

ですから例えばブログのコメント欄に、怒りのコメントが溢れていたとしても、そのコメントの数だけ怒っている国民がいると考えるのは、間違った解釈なのです。

ところで別のニュースサイトの記事を読んでいたら、「安倍内閣は退陣」と記載されたプラカードを掲げた市民団体などが、平成20年(2018年)4月14日に国会前でデモを行ったと記載されておりました。

その一方で首相官邸の前には、「頑張れ、安倍政権」と記載された横断幕を掲げた、安倍政権を応援する団体が集まったと記載されておりました。

そのため意見の違う団体が、近くの駅で交差して、小競り合いが起きる場面があったようです。

こういった時はデモの主催者側が、その参加人数を盛って発表する事により、警察が調べた参加人数と食い違う場合があります。

ただ参加人数が盛ってあったとしても、忍者ではない一般の方は「分身の術」を使えませんから、同じ方が何度も書き込みをしている炎上よりは、正確な人数に近いと思うのです。

このようにしてデモに参加した方は、同じ意見の人々とコミュニケーションを繰り返すことによって、自分の意見を強化・増幅していきます。

このような現象は一般的に、「エコーチェンバー現象」と呼ばれているそうです。

また意見の違う団体という、共通の敵が身近にいる事により、それぞれの団体は結束を強くしていきます。

ですからデモに参加した方は、参加する前よりも、安倍政権に対する怒りを強くする場合が多いと思うのです。

そうなると上記のように炎上が、演出された国民の怒りなら、デモは増幅した国民の怒りではないでしょうか?
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奨学金ガイドブックの表紙は、タバコのパッケージを参考にした方が良い



平成29年(2017年)12月26日の時事通信を読んでいたら、私大授業料、5年連続増=16年度87万円、過去最高-文科省調査と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『2016年度に入学した私立大学生が初年度に支払った授業料の平均額が前年度比1.1%増の87万7735円となり、5年連続で増加したことが26日、文部科学省の調査で分かった。比較可能な1975年度以来、過去最高を更新した』

以上のようになりますが、このような学費の高騰を受けて、奨学金を返済できずに自己破産する方が増えております。

奨学金制度を担う日本学生支援機構によると、奨学金に関係する自己破産は、平成28年(2016年)度は過去最多の3,451人となり、5年前より13%も増えたそうです。

また過去5年間の累計では1万5,338人となり、その内訳は奨学金を借りた本人が8,108人(うち保証機関分が475人)で、連帯保証人と保証人が合計で7,230人だったそうです。

この連帯保証人は原則として「父母」になり、また保証人は原則として「おじ・おば・兄弟姉妹等」の中から選ぶため、奨学金に関係する自己破産が、奨学金を借りた本人だけでなく、その親族にまで広がっているとわかります。

奨学金に関係する自己破産が増えたのは、上記のように学費が高くなっただけでなく、卒業後に非正規雇用になる方が増えた事や、日本学生支援機構が回収を強化した事も影響しているようです。

日本学生支援機構が奨学金を借りた本人や保証人などに対して、返還を求めて裁判所に申し立てた件数は、平成28年(2016年)度は9,106件になり、また過去5年間の累計では約4万5,000件に達しました。

また給与を差し押さえするなどの強制執行を実施したのは、平成16年(2004年)度は1件だったのに対して、平成28年(2016年)度は387件に達しております。

非正規雇用で給与が少ないのに、それを差し押さえするなんて、なんて酷い事をするのだと思いますが、奨学金を借りた方が被害者といえない面もあるようです。

その理由として平成28年(2016年)3月20日の現代ビジネスに、「奨学金」延滞者急増、その意外なワケと題した記事が掲載されていたからであり、一部を紹介すると次のようになります。

『返済の延滞率について、日本学生支援機構の「3月(みつき)以上延滞債権額」の割合をみると、4.6%(2013年度末)。この数字は、借入者に学生が含まれていることを考慮しても、民間金融機関の1.2%(2014年度末)に比してかなり高い。

同機構の「平成25年度奨学金の延滞者に関する属性調査結果」によれば、返還できず延滞せざるを得なくなった理由は、「家計の収入が減った」ことがきっかけとされている。延滞が継続しているのは、本人の低所得とともに延滞額が増加していったためだ。

ただ、その調査をさらに読むと、「返還義務をいつ知ったか」という調査項目がある。それによると、延滞者のうち、奨学金を借りる前に返済義務を知っていた人の割合はわずか56.1%。これは無延滞者の92.5%と比較して、著しく低い。

奨学金を借りるに当たり、本人が返さなければいけないことを知らなかったという、かなり驚きの調査結果だ。実際、延滞督促を受けてから返還義務があることを知ったという人も9.4%もいた』

以上のようになりますが、つまり延滞者の半分くらいは、奨学金を返済する必要がある事を知らなかったのです。

最近はタバコを吸う方が少なくなったので、知らない方がいるかもしれませんが、タバコのパッケージには30%以上の面積を使って、次のような警告表示が掲載されております。

『喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります』

進学する前に奨学金制度について知ってもらうため、高校生向けに作成された「奨学金ガイドブック」の表紙にも、30%以上の面積を使って、次のような警告表示を掲載した方が良いと思うのです。

『奨学金は、あなたにとって自己破産の原因の一つとなります。日本学生支援機構の推計によると、奨学金を借りた方は奨学金により自己破産する危険性が奨学金を借りていない方に比べて約○倍から○倍高くなります』

進学後の生活に希望を抱いている高校生に、卒業後に待っているかもしれない現実を突きつけるのは、少し残酷かもしれませんが、延滞者の半分くらいは、奨学金を返済する必要がある事を知らなかったのですから、やむを得ないと思うのです。

また将来に返済する必要があるとわかっていたら、元を取ってやろうという気持ちが強くなるため、授業をさぼらなくなると思うのです。

それに加えて非正規雇用になると、奨学金を返済するのが厳しくなるため、就職活動を頑張る気持ちが強くなると思うのです。
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